ラブホテル研究家 鬼束ちなつ

【ラブホテル研究の軌跡ブログ2】 ラブホテル研究の先駆者に会いに行く(前編)

こんにちは。ラブホテル研究家の鬼束ちなつです。先日webサイトの開設をTwitterで報告したところ、想像以上の反響があり驚いています。
作ってみるものですね、webサイト。自分の想像以上に多くの方がこのサイトを読んでいるのかと思うと少し緊張もしますが、自分のサイトなので自分のやりたいようにやろうと思います。

今日は、先日書き始めたラブホテル研究を始めるキッカケのブログ(https://onizka-chinatsu.com/blogs/blog-001/)を話途中で終わらせてしまったので、その続きのお話しをします。相変わらずラブホテルの写真はあまり出てきません。

ところで、今までサイト内の文章はすべて「です・ます」調で書いてましたが、手記を綴る時はとても書きにくいことが判明しました。やってみないと分からないことって沢山ありますね。
ブログ2回目にしての仕様変更になりますが、手記を綴る時だけは「だ・である」調にしようと思います。
前置き長くなりましたが、お話しの続きをします。

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(前回までのあらすじ)
2008年夏、しがない建築学生だった鬼束は、実家に偶然転がっていたテレビブロスを手に取ったこときっかけに、ラブホテルという特異な建築への興味が止まらなくなってしまっていた。

「この雑誌にコラムを書いている金さん。この人に会いに行こう…。」
記事を読み返しながらそう思ったが、果たしてそんなことができるのか。
いつ?どこで?どうやって?まず何をすれば良い?
19歳になったばかりの自分には、段取りを踏む方法など分からなかった。分からないまま過ごしているうち、いつの間にか季節は冬になった。ラブホテルのことは頭の片隅にはずっとあったが、目先の課題などに追われ、その存在感は薄らいでいた。
年が明け1年次のカリキュラムが全て終わり、私は良くも悪くもない中途半端な成績をもらって長い春休みを迎えた。大学生の春休みは長い。小学生の夏休みより長い。今思えば、贅沢過ぎる時間だ。同級生はそれぞれ有意義な時間を過ごそうと、海外旅行を計画したり、企業へのインターンへ申し込んだりなどしていた。
私は一体何をしよう…。何がしたかったんだっけ…?

「ラブホテル a GOGO!」

あ!ラブホテルだ!ラブホテルへ行かなきゃ!そして、あのコラムを書いていた金益見さんに会いに行かなきゃ!

そう決断をした頃と時を同じくして、大学の同じ学科にラブホテル巡りを趣味としている女の子がいるという話を耳にした。彼女とはそれまで授業の中で多少話をしたことがある程度の関係だった。
私と同じようにラブホテルを面白いと思ってる子がこんな近くにいたのか…。嬉しくなって、ある日彼女に話しかけ、ラブホテルの話をしてみた。完全な不審者である。

彼女(以下、友人Mとする)は、完全な不審者である私の話をしっかりと聞いてくれた上に、一緒にラブホテルを巡ろうと提案をしてくれた。話しかけて良かった…!!
友人Mは私の二歳年上だったのもあり、私よりも人生経験が豊富で、また行動力に長けていた。私は例の雑誌を見せ、その雑誌にコラムを書いている金さんという研究者に会いたいと思っているという話をすると、友人Mはその場で金さんの所属する大学へ問い合わせの電話をし始めた。

「早っっ!!」
思わず声が出た。そして、これまで何をすれば良いか分からずモヤモヤと行動に移せないまま数ヶ月を過ごしてしまった自分を恥じた。

電話では金さん本人とはお話できなかったが、自分達がラブホテルの研究をしたいと思っていること、そしてそのためにお話を伺いたいということを、大学職員を通じて金さんへ伝えることができたらしい。しかし、金さんは当時自身の研究論文をまとめた書籍「ラブホテル進化論」を出版されたばかりで、取材や仕事のオファーが殺到しており、返答できない可能性が高いとのことだった。
これはきっと門前払いだろうな。と二人で半ば諦めながも、ほんの少しの可能性をかけて返事を待った。

それから数日後、金さんへ伝えていた友人Mのメールアドレスに一通のメールが入った。
「会ってお話しましょう。神戸まで来れますか?」

金さん本人からのお返事だった。

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長くなりそうなので、一旦ここで終わります。まだラブホテルが出てきませんね。ごめんなさい。
これから先はラブホテルがたくさん出てくる予定です。

【本日の一枚】
この出会いから数年間、研究活動を共にしてきた友人Mが最も好きだったラブホテルの一室。ある時、私の未熟さ故に些細なことから仲違いをしてしまい、それから彼女とは共に行動をすることはなくなってしまいました。
しかし彼女の溢れる行動力が無ければ、私はこうして活動をしていなかったと思うし、今も尚やりたいことを行動に移せずモヤモヤとしていたと思います。
本当に感謝しかありません。
彼女が今もどこかでラブホテル巡りを楽しんでいるといいな。

撮影場所:ホテルアルパ(東京都豊島区) ※2010年閉店